遠い昔、神童と言われたのは私だったのだが、血なのか弟にもこんな才能が有ったとは。
ある時期から決して仲の良い兄弟とは言い難く、疎遠では有ったのだが、重い病と聞き
見舞えば不思議なものでやはり兄弟である。
千葉の姉から連絡を受け一緒に見舞いに行ったのが2週間前である。
その2日後に再度1人で見舞った時、僅かな時間では有ったが幼い時の思い出がよぎったのは
私だけでは無かった気がする。
それから1週間……
姉は弟の顔を手で撫でまくって涙する、化け物みたいに頑丈な姉である。
同席の息子達、次男に向かって「俺の時は撫で回すなと言っとけ」と言っておいた。